「トムとジェリー」のアニメにも登場する、丸い穴の開いたチーズ！
小さい頃、私たち日本人には食べ慣れない「チーズ」のイメージといえば、小学校の国語の教科書にも載っていた小説「ねずみのアナトール」や、アメリカのアニメ「トムとジェリー」などに出てくる「大きな穴の開いたチーズ」といったものではなかったでしょうか？その、挿絵やアニメのイメージで強い「大きな穴の開いたチーズ」のモデルはこの「エメンタールチーズ」。
スイスの北部、ドイツ語圏の大都市であるベルンからほど近い、渓谷地帯・エメンタール地方の原産であることから名前が取られています。現地の人々は「エメンターラー」とドイツ語で呼ぶそう。

グリュイエールと並んで、高い生産量を誇るスイスを代表するチーズです。総生産量の約７割が輸出され、国外でもスイスチーズとして最も有名な「エメンタール」は、「チーズの王様」と言われることもあります。
エメンタールを特徴付ける、この丸い穴は「チーズアイ」と呼ばれ、時間をかけて熟成させる際に発生する炭酸ガスによって生じ、このプロセスがエメンタールチーズに独特の味わいを与えています。3種類のバクテリアを使って熟成を始め、その中のある種の菌の働きによって大きな穴が作られます。このような難しい製法が必要にもかかわらず、16世紀からずっと作り続けられているところに、スイス人のこのチーズへの愛と情熱が感じられますね！アニメ「トムとジェリー」の穴あきチーズがエメンタールと知ったのは、チーズを勉強してからでした（笑）
スイスチーズの王様とされるエメンタールは、誰からも愛される味わいです。そのまま食べても美味しくて加熱して溶かすとさらに本領を発揮するオールマイティーチーズ。我が家はフランスチーズならコンテ、イタリアチーズならパルミジャーノ、スイスチーズならエメンタール＆グリュ―エルと、冷蔵庫に必ず常備している大事なチーズです！因みに娘（3歳）が初めて覚えたチーズは、「エメンタール」でした（笑）

チーズフォンデュにもおすすめ！クセが無く、加熱するとより豊かに香り引き立つチーズ。木の実に似た香ばしい独特の芳香があり、中身は引き締まって弾力があります。わずかな甘味がある淡白な風味で、他の食材とも合わせやすく、特に「チーズフォンデュ」に良く使われます。クセがないので、そのままスライスしてパンと合わせたり、サンドイッチにしても美味しいです。またサイコロ状にカットしてサラダに入れたり、お酒のおつまみにしてもいいですね。

加熱して溶かすと、伸びが良くなり、豊かな香りがいっそう引き立つので、チーズフォンデュ用のチーズとしても人気があります。フォンデュは、スイスの郷土料理です。同じグリュ―エールチーズと合わせてお好みのチーズフォンデュを作ってみてはいかがでしょうか。 お子さんの好きな材料を茹でて、そして大人は赤ワインなどを合わせると、秋からクリスマスのシーズンにかけてなど、特に楽しそうですね！